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今まずやるべきこと

 マイナス金利の影響で、銀行や郵便局の金利がさらに下がり、貯蓄型の保険商品も売り止めになったり、予定利率が引き下げられたりしています。その環境は、今後さらに厳しくなるでしょう。マイナス金利とは、コラム「マイナス金利とは」で書かせていただいていますように、金融機関と日銀との金利なので、私達の預貯金金利がマイナスになるわけではありませんが、その影響はいろいろなところで出ているのが現状です。例えマイナスにはならなくても限りなくゼロに近い水準であることは間違いありません。

 預貯金は元本保証があり、いつでも引き出すことができる換金性もあり、その意味では優れた金融商品ですが、その安全性と換金性を保つために収益性が限定されています。でも、つい数十年前の金利水準はこのようなものではありませんでした。1990年の預金金利は、定期預金で約6%、普通預金でも2%でした。過去最高はと調べたところ、1974年の普通預金金利はなんと3%、郵便局の通常貯金で4.32%ありました。(その代わり、住宅ローンの金利は9%前後です。)退職までにある程度の預金があれば、利息だけで生活できたという神話のような話もなるほどと頷けます。

 「いくらゼロであっても減らなければいい」という話をよく耳にします。でも、お金は物と交換する単なる手段ですから、物の価格が上がればお金の価値は下がります。いくら元本保証があっても、インフレに負ければ実施的な目減りを避けることができません。貨幣価値の変化は、戦前戦後を経験された高齢者の方々は痛いほど実感されているのではないでしょうか。

 資産形成の重要性はわかっても、将来のお金についてどうしたらいいか悩まれている方が多いと感じます。これからは、「投機」ではない「投資」にも積極的に目を向けることも大切です。そして、今まずやるべきことは、将来どの位お金が必要なのかの具体的な見極めではないでしょうか?