イギリスのティータイムのひとつで、午後3時から午後5時までの間に行われるお茶の時間をアフタヌーンティーと呼んでいます。これは、サンドイッチやスコーンといった軽食とともに楽しむものです。もともとは19世紀半ばの貴族階級に広まった風習で、軽い昼食と夜の晩餐の間に軽く胃を満たすとともに、社交的な目的から紅茶と軽食を楽しんだと言われています。
普段はコーヒー派の方も、しっとりと秋も深まっていくこの時期、ふと、美味しい紅茶を楽しんでみたいと思いませんか。
今号では、おいしい紅茶を淹れるためのポイントをご紹介します。
1.水にこだわる。
紅茶に適した水は、無臭で空気(酸素)をたくさん含んだ水です。
汲み置きの水は、大事な空気が抜けてしまい、おいしい紅茶を淹れるために必要な“ジャンピング”が起こりにくくなりその結果、水色が黒っぽくなり香りが失われた紅茶になってしまいますので不向きだといえます。また二度沸かしの湯は一度冷める段階で変質してしまいますので、汲み置きの水を使った時と同じようになってしまい、これも不向きだといえます。
市販のミネラルウォーターを使った場合、どうなるでしょうか?・・・やはり空気が含まれていないため、紅茶には適していません。特に、紅茶の味を十分に引き出したいなら、ミネラル分の少ない軟水がおすすめです。日本の水はほとんどが軟水ですから、水道水で十分です。沸かし過ぎたお湯はカルシウム濃度が高まり、高度が高くなります。せっかく高度の低い軟水を沸かしてもこれでは台なしになるので、沸かし過ぎに注意しましょう。
2.完全に沸騰させた沸かしたての熱湯を使います。
100度まで完全に沸騰させた新鮮な熱湯を高めの位置から勢いよくポットに注ぎます。こうすることにより、茶葉を十分にジャンピングさせることができます。
3.茶葉の量を正確に量る。
目分量ではなく、きちんと測ります。1杯分は茶葉の種類にかかわらずティースプーン山盛り1杯(約3g)ですが5杯分まではさらにティースプーン1杯分を余分に加えましょう。
4.蒸らし時間を守る。
ポットに蓋をして蒸らすとき、蒸らし時間は茶葉の銘柄とグレード、飲み方によっても異なってくるので砂時計やキッチンタイマーを使って時間を計るとよいでしょう。
最後は自分の好みもあるので、蒸らし時間の少し前に味見をしてみるのもよいでしょう。
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